経営計画作成合宿にて②

今回の合宿では、いつもならばすぐにPC作業に取り掛かるところを、

社長の「お互いのことを話そう」という提案で丸々1日をかけたミーティングになった。

まずは社長の創業に至るまでのあれこれを聞く。

その次に、先輩の人生の話を聞いたのだが、これが実に衝撃的だった。

 

35歳になるまで、ずっとイライラする原因がわからず過ごしてきたこと。

その根本原因が母親にあったことがわかり、直接対決したこと。

結果自分の機嫌を自分でコントロールできるようになったこと。

 

あ、こんな話しても大丈夫なんだ。

そう思えた瞬間に、私も自分のことを話そうと思えた。

うまく話せるかわからないけれど。

 

私は、辛かったことや悲しかったことを笑って話そうとする節がある。

それは、そんな話をすることで場の空気が重くなるのが嫌だったし、

そんなしょうもないことで悩んでいるのかと思われる(と感じる)のが嫌だったから。

そして、そんな過去をもう客観的に分析できる大人な自分がいる、そんなことはもう解消したんだと思いこみたかったからだ。

 

先輩の話を受けて、私の番。

いつものとおりに冷静に話そうと思っていた。

「ずっと無価値観を持って今まで生きてきました」

「"○○だから、ここにいてもいい"という、条件あっての人生観です」

そこまで話し、一番過去の記憶を口にしようとしたら、感情がぐっと込み上げてきた。

 

「泣いたらみっともない」

そう抑え込む自分がいて、喉元まで出てきた感情をまた飲みこんでしまった。

涙が出ない部分の人生の話をして、その日は終わりになったが、

「顔を出した感情をもう抑えるのはやめにしたい」、

「生まれてくる子供に、今のままでは同じ辛さを味合わせてしまう。それだけは絶対に嫌だ」

そう強く思っている自分に気がついた。

 

全員の話が終わり、残り少ない時間で計画を立てることになった。

「型にはめずに、何でもいいよ。質問は?」と社長が言った。

「…本当に何でもいいですか?」と私は聞いた。

 

そして、私が1時間かけてPCに吐き出したものは、

とてもじゃないけれど

「計画」

などとは言えないものだった。

 

 

「やりたいことの成文化」

本当は自分はどうしたいのかを文章にしたい、このひとつだけ。

 

このひとつだけを持って、計画の発表に臨むことになった。