家を出たい
高校2年生の頃に、環境問題に興味を持った。
環境問題と言っても、CO2排出削減や海洋汚染など理系分野ではなく、「どうしたら人類が身近なところから環境に優しい行動ができるのか」という、人の心にフォーカスした部分だった。
(この考え方も多分に
「"良いこと"をしている自分」と
「自分勝手に生きている周囲の人々」(許せない)
という感じ方から来ている)
学べる大学の学部はどこかと探し、どうやら「総合政策学部」というぼんやりした名前の学部がそれを学べそうだという結論に至った。
進路相談で先生にその話をすると、先生はしきりに地元の大学の教育学部を薦めてきた。
年配の先生だったからだろうか、「訳の分からないものではなく、地に足着いた将来の仕事に直結する学部を選びなさい」という考え方があったのかもしれない。
しかし私はまだ当時、教師とか医師など名前の付いた職業に就くというイメージが持てなかった。
そして、県外の大学進学を視野に入れて勉強することになる。
今思うことは、もしかしたらその時「とにかく家を出たい」という思いがあったのではないかという事だ。
母の元を離れたい、世話にならずに一人で生きたい。
最終的に受かった大学は、新幹線通学をすれば実家から通える場所ではあった。
それでも一人暮らしをすると決めたのは、やはりその気持ちが大きかったからなのだと思う。
安心できる場所を作りたかったのだ。