自己中

小学校の頃、「自己中」と呼ばれ、無視されたことがあった。

確かにかなりわがままで、融通が利かず、頑固で、プライド高く、協調性に欠ける部分があり、「謝れない」性格だったため、今となっては「それも仕方がないことだ」と思う。

 

当時は小学校が世界の全てだから、「無視をされる」というのは大変恐ろしいことだった。

しかし、自分の感情を抑え込むことを覚えていた私は、

「寂しい」「悲しい」「辛い」

という感情をなかったことにし、

「無視をするなんて、なんてレベルが低いのだろうか」

と上から目線で捉えるようにしていた。

 

子どもの「無視ごっこ」は長くても1週間程度である。

無視される状態が終わった後、

「自分からは絶対にやるものか」とだけは心に誓った。

そこにあったのは、

「そんな低レベルなことをする人間になるものか」という、

歪んだ気持ちだった。

 

そうやって、相手を見下すことによって、心の安定を保つようになっていったのだ。